最近、変わったなあってことがいくつかありました。
まとめてみたので、すこしお付き合いください。
ただ、1つのコラムにまとまらないので、いくつかに分けます。
そして、全部アップしきれなかったので、
おいおいアップしていこうとおもいます。
もうちょっと読みたいってかたは、
リマインダー設定とか、定期的にのぞきにきてください。
あくまで気まぐれなまるやまです。ご容赦ください。

テーマは4つ
(1)高齢者と介護支援
介護保険外サービスニーズの高まり
介護従事者不足が原因 サービス量の減少
3つの資本を持つ高齢者の力を借りたい

(2)子育て支援VS高齢者支援
移住促進で自治体の競争に?
お金で呼び込んだその後は・・・
世代の対立は、地域ケアの大敵

(3)ケアビジネスと福祉活動が難しい
収益化・人材確保 もはや経営難
保険外サービスと9割引サービスは難易度高
ケア人材は他業種へ奪われる
事業者の悲鳴
どうする行政

(4)最近の地域福祉手法の変化
以前の手法が通用しない
間に合わない
「地域」の範囲があいまい

 

1 移住促進で自治体の競争に? 

深刻な人口減少、少子化対策が子育て支援に拍車をかけています。どの自治体も、「子どもを育てるならこのまちで」と、PRがすごいです。具体的には、住宅支援(家賃補助、引っ越し代補助、リフォーム補助など)、医療費支援(高校卒業まで医療費無料)、教育費支援(学費無料、給食費補助)、2人目、3人目・・・にまとまったお金が出て、出産お祝いのプレゼントも贈られて、さらに図書館や公園、ショッピングエリアも子ども仕様に。すごいですね。羨ましい。産めるならもう1人くらい産みたいです笑 無理です笑。 

自治体で一足先にこれに取り組んでいる首長や担当者さんとお話しすることもあるのですが、10年くらい前からやっている自治体からは、その成果と課題が聞けました。最近、23年くらい前から始めた自治体でも、これまた興味深いお話が聞けました。なるほど!と、苦笑いしたりしています。 

一つは、「子育てするならうちのまちで」と呼びかけて確かにたくさんの親子が移住してきましたが、子育てが終わったらサクッと転出するのだと泣いていました。投資したのにリターンがないまま、いいとこどりされて去っていくのだそうです。これは痛い話です。まじですか?って聞きましたが、お金で呼び込んだ人たちは、お金がなくなったら去っていくだそうです。 

そして、子育て支援で売り出そうとしていたのに、隣接する自治体がうちよりでかい旗を立てたから途端にしょぼくなったんですよね、という担当者さん。人口1万人もいない小さい町だったので、本気でやろうとしたんでしょうけれど、右左に10万人以上の市に挟まれ、そこが高校卒業まで医療費無料にしてでかい図書館とか建てたりするから太刀打ちでいないという。 

 

2 お金で呼び込んだその後は・・・ 

さっきも書いたけれど、お金で移住を呼び込んだら、貰ったらあとは知らないっていう人は仕方ないけれど一定数あります。子育て支援に限らず、コロナで経営が成り立たない小規模事業者へ補助金が出たり、空き家再生活用の補助金、過疎地のまちづくりのために若い人が3年くらい住む、というものも期間が終わったらあっさりと手放してしまうのです。その人たちを責めているのではないので、どうかご注意ください。人間心理とは、そういうものだということです。それを知っていて、割り切って事業をするならいいのです。一定時期だけ人がいればいい、というのであればです。でも、そのお金、もったいなくないですか?言い方悪いけれど捨て金です。投資だと言いながら、リターンのない公費、一番節税すべきはそういう観点ではないかと思うのです。 

じゃあどうすればよかったのか?「お金で呼び込む」というこの方法でいくのは、アリだと思うのです。むしろ、いまの時代、効果的な方法だと思っています。問題はその使い方です。お金をもらうならという約束を伝えること。住んでもらうだけでいい〜のではなく、このお金はこういう目的です、だからあなたはこうしていく役割があるのだと明言してなければなりません。同時に、数年間はそこに住むんだから関わりの量と質を上げていくことで、子育てが終わった後もここに住み続けたいという「愛着」を育むことが大事です。いま、高齢者とか介護とか、そういうところにばかり目がいき、親任せになったり、子どもの教育や暮らしの環境に無頓着担ってはいませんか。愛着どころか、親は仕事と子育ての両立に頑張らざるを得ない数年をこのまちで暮らす、という経験をさせて、子育てが終わったら自分の興味と、便利さや都合にあった自治体へお引っ越しされてしまうのがオチです。 

 

 

3 世代の対立は、地域ケアの大敵 

その、10年くらい前から子育て支援で、過疎地にも関わらず高齢化率を思いっきり下げた自治体の若い首長が言っていました。「うちは子育て支援が自慢です」。その町の、地域包括支援センターの職員が、言っていました。「うちの高齢者は昭和のままです」。 

どういうこと?行政に対して多大な要求をする、時に恫喝もする。一方で介護予防しない、サービスの質が低いと文句をいう、強烈な男尊女卑と年功序列が現存し、化石のようなたたづまい。確かに。ここの町でいつものように講演をしたあと、匿名高齢者から驚くようなクレームハガキをいただいたりもしました。 

子育てに躍起になっていると高齢者ケアが手薄になり、住民感覚が進まないのです。あれからどうなっているのか・・・。若い首長はどうしているのだろう・・・。 

先日、テレビで「子育て支援をどう見るのか」という高齢者へのインタビューがチラッと流れたりしているのを見たことがあります。「わしらのことはどうでもええんじゃな」「ちょっとやりすぎだよ。子育ては親が責任持ってやるもんじゃ」「甘やかしすぎて気に食わん」「それより年寄りのことはどうなるの?」という、テレビ的には画になるので面白いと思ったのでしょう。これに似たような声を確かに聞きます。老人クラブが「わしら、ハブてるで」(不貞腐れるよ、と怒り)と言っていました。きっと行政窓口にクレーム電話が増えているのではないかと想像してしまいます。 

望まない世代の対立。理解をしあって共生社会を作ろうとしているのに、逆行してはいませんか。地域ケアをしようとすると住民の理解と協力が必須。なのに、ますます孤立と不寛容を助長しているのです。 

 

行政担当者もきっと心配材料でしょう。しかし、高齢者と子育て、保育と担当が別々だから、一緒に考えることもできない。そもそも、課長同士が仲が良くないから業務連携できないことも、実は少なくない話。現場職員は、せっかく丁寧に、誠実に仕事をしていても、見えてくる結果がこれだと、それは確かにモチベーション下がってしまいますよね・・・。